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第9章 子どもの食と栄養 ・ レッスン9-4

保育所の食物アレルギー対応は?完全除去と誤食を防ぐしくみ

約5分 ・ 公開日 2026-10-06

このレッスンの問い

卵アレルギーの子の給食。「少しなら食べられる」と細かく量を調整するのと、卵をすべて抜くのと、どちらが安全だと思いますか?

読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。

前のレッスンの復習(1問)

本文に入る前に、前のレッスンを思い出してみましょう。

レッスン9-3から

Q1. 前のレッスンの復習です。保育所保育指針が示す、保育所の食育の目標はどれでしょう?

答えを見る

正解: 1. 「食を営む力」の育成に向け、その基礎を培うこと
正解は「食を営む力」の基礎を培うことです。指針は、食べることを楽しみ、食事を楽しみ合う子どもに育つことを期待しています。

01対応は、医師の診断と生活管理指導表に基づく

保育所のアレルギー対応は医師の診断と指示に基づいて行い、生活管理指導表に基づく対応が必須です。

手引きは、2019年4月の「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)」です。食物アレルギーとは、特定の食物を食べた後に、アレルギー反応を介して皮膚や呼吸器、消化器、全身に起こる症状のことです。

生活管理指導表は、子どもを中心に据えた、医師と保護者、保育所のコミュニケーションツールです。保育所は、保護者から出されたこの表の記載に基づいて対応します。

対応は、全職員を含めた関係者の共通理解の下で、組織的に行います。

02給食は「完全除去」が基本。誤食は人的エラーから

食物アレルギーがある子どもの給食は、安全を最優先し、提供するかしないかの「完全除去」か「解除」で対応するのが基本です。

煩雑で細かく分けすぎた除去は、誤食の誘因になるからです。家庭で食べたことのない食物は、基本的に保育所では提供しません。

ガイドラインは、誤食の主な発生要因として、配膳ミス(誤配)や原材料の見落とし、伝達漏れなどの人的エラーを挙げています。対策には、配膳カードを作り、調理から提供までに2重、3重のチェック体制をとることがあります。食器の色を変えて注意をうながす方法もあります。

誤食は、食事だけでなく遊びの場面でも起こります。一方で、誤食を恐れるあまり、過剰な対応をしないことも大切です。

03命の危険があるときは、職員がエピペンを使ってよい

アナフィラキシーショックで命が危険な状態のときは、居合わせた職員が、子どもに代わってエピペンを注射しても構いません。

アナフィラキシーは、皮膚・消化器・呼吸器などの症状が、複数同時にかつ急激に出た状態です。緊急性の高い症状が一つでも見られたら、エピペンの使用や119番通報など、速やかに対応します。

職員によるエピペンの使用は、緊急やむを得ない措置として行われるもので、医師法第17条違反にはなりません。使用した後は、速やかに救急搬送し、医療機関を受診します。

エピペンは、体重15kg未満の子どもには処方されません。全職員が取り扱えるよう、保管場所を共有し、園内研修や定期的な訓練を行います。

誤食の主な発生要因ガイドラインが挙げる対策
人的エラー(誤配、原材料の見落とし、伝達漏れなど)配膳カードの作成、調理から提供までの2重・3重のチェック、食器の色を変える
煩雑で細分化された食物除去できるだけ単純化した対応(完全除去か解除)にする
子どもが幼く、自己管理できない職員全体で発生要因を認識し、安全確保に必要な人員を配置して管理する
誤食の主な発生要因と対策(「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)」をもとに作成)

あなたの場合は?

あなたの職場や家庭で、「うっかり」を防ぐために2重にチェックしていることはありますか?

答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。

覚えるのはこの3つ

  1. 対応は医師の診断・指示に基づき、生活管理指導表に基づく対応が必須(ガイドライン2019年改訂版)
  2. 給食は完全除去か解除の両極で。誤食の主な原因は人的エラーで、配膳カードや2重・3重のチェックで防ぐ
  3. 命が危険なアナフィラキシーショックでは職員がエピペンを使ってよい。医師法第17条違反ではなく、使用後は救急搬送

TERMSこのレッスンの用語

生活管理指導表Allergy management guidance form

保育所でのアレルギー対応のために医師が記入する様式。子どもを中心に据えた、医師と保護者、保育所のコミュニケーションツールで、これに基づく対応が必須とされる。

完全除去Complete elimination

食物アレルギーの原因となる食物を、提供するかしないかの2択で扱う対応。保育所では誤食を防ぐため、完全除去か解除で対応するのが基本。

アナフィラキシーAnaphylaxis

アレルギー反応で、皮膚・消化器・呼吸器などの症状が複数同時にかつ急激に出た状態。血圧や意識の低下を伴うものをアナフィラキシーショックという。

LESSON 9-4 の確認

確認問題(全3問)

本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。

Q1. ガイドラインでの「生活管理指導表」の位置付けとして正しいものはどれでしょう?

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正解: 2. 医師と保護者、保育所のコミュニケーションツールで、これに基づく対応が必須
正解です。生活管理指導表は、子どもを中心に据えた医師・保護者・保育所のコミュニケーションツールで、これに基づく対応が必須とされています。

Q2. ガイドラインが、食物アレルギーの誤食を防ぐ対策として挙げているものはどれでしょう?

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正解: 3. 配膳カードを作り、調理から提供までに2重、3重のチェック体制をとる
ここがポイントです。細かく分けすぎた除去は誤食の誘因になり、家庭で食べたことのない食物は基本的に保育所では提供しません。

日常の場面で考える

Q3. 給食のあと、エピペンを預かっている5歳のOくんが、ゼーゼーする呼吸になり、ぐったりしてきました。ガイドラインに沿った対応はどれでしょう?

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正解: 2. 緊急性の高い症状なので、エピペンを使用し、119番通報して救急搬送する
惜しかった人も大丈夫です。ゼーゼーする呼吸やぐったりは緊急性の高い症状です。命が危険な場合、職員がエピペンを使っても医師法第17条違反にはならず、使用後は速やかに救急搬送します。

レッスン9-4はここまでです

迷った問題は、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。間違えた問題は復習ページに自動で入ります。

第9章 子どもの食と栄養 のレッスン一覧
  1. 9-1食事摂取基準の読み方
  2. 9-2授乳と離乳の進め方
  3. 9-3保育所の食育
  4. 9-4食物アレルギーへの対応

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出典(2件)
  1. 厚生労働省「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)」(2019年4月)
  2. 厚生労働省「保育所保育指針」(平成29年厚生労働省告示第117号)第3章 2 食育の推進(食物アレルギーのある子どもへの対応)