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第9章 子どもの食と栄養 ・ レッスン9-3

保育所の食育とは?「食を営む力」の基礎を育てる

約5分 ・ 公開日 2026-10-06

このレッスンの問い

保育所の食育。給食をのこさず食べさせることが一番の目的だと思いますか?

読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。

前のレッスンの復習(1問)

本文に入る前に、前のレッスンを思い出してみましょう。

レッスン9-2から

Q1. 前のレッスンの復習です。授乳・離乳の支援ガイドで、離乳後期(生後9〜11か月頃)に与える固さの目安はどれでしょう?

答えを見る

正解: 2. 歯ぐきでつぶせる固さ
正解は歯ぐきでつぶせる固さです。舌でつぶせる固さは中期、なめらかにすりつぶした状態は初期の目安です。

01食育は、法律が定める「生きる上での基本」

食育とは、食に関する適切な判断力を養い、生涯にわたって健全な食生活を実現する取り組みで、食育基本法がその理念を定めています。

食育基本法は、平成17年に定められた法律です。前文では、食育を、生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置付けています。

第2条は、食育によって、国民の心身の健康の増進と豊かな人間形成に役立つことを目指すとしています。第6条は、家庭、学校、保育所などあらゆる機会と場所で、食に関する様々な体験活動を行うことを旨としています。

第5条は、保育などを行う者に対し、保育における食育の重要性を十分自覚し、積極的に取り組むことを求めています。

02保育所の食育の目標は「食を営む力」の基礎

保育所保育指針は、保育所の食育の目標を、健康な生活の基本としての「食を営む力」の育成に向けて、その基礎を培うこととしています。

指針は、子どもが生活と遊びの中で、意欲をもって食に関わる体験を積み重ねることを求めています。そして、食べることを楽しみ、食事を楽しみ合う子どもに成長していくことを期待しています。

保育所は、食事の提供を含む食育計画を、全体的な計画に基づいて作ります。作った計画は、評価と改善に努めます。栄養士がいる場合は、その専門性を生かします。

03調理する人との関わりや、一人一人への配慮も食育

指針は、調理員などとの関わりや保護者・地域との連携、一人一人の状態に応じた対応も、食育の推進として求めています。

子どもが食材を自然の恵みと感じ、調理する人への感謝の気持ちが育つよう、調理室など食に関わる保育環境に配慮します。体調不良や食物アレルギー、障害のある子どもには、嘱託医やかかりつけ医などの指示や協力の下で対応します。

国の検討会は、2004年に報告書「楽しく食べる子どもに〜食からはじまる健やかガイド〜」をまとめました。ねらいは、生涯にわたって健康で質の高い生活を送る基本としての食を営む力を育てることです。報告書は、目標とする5つの子どもの姿を示し、それらは関連しあうものとしています。

目標とする子どもの姿そのために大切な経験
食事のリズムがもてる空腹感や食欲を感じ、それを満たす心地よさを経験する
食事を味わって食べるいろいろな食品に親しみ、五感を使っておいしさの発見を繰り返す
一緒に食べたい人がいる家族や仲間などと和やかな食事を経験する
食事づくりや準備に関わる家族や仲間のために作ったり準備したりする
食生活や健康に主体的に関わる遊びや絵本などを通して、食べ物や身体のことを話題にする
「楽しく食べる子ども」に向けて目標とする5つの子どもの姿(厚生労働省「楽しく食べる子どもに〜食からはじまる健やかガイド〜」(2004年)をもとに作成)

あなたの場合は?

子どものころ、食事がとても楽しかった思い出はありますか?そのとき、誰と、どんなふうに食べていたでしょう?

答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。

覚えるのはこの3つ

  1. 食育基本法は、食育を知育・徳育・体育の基礎と位置付け、保育を行う者に積極的な取り組みを求める
  2. 保育所保育指針の食育の目標は、「食を営む力」の育成に向けて、その基礎を培うこと
  3. 食育計画は全体的な計画に基づいて作り、評価・改善する。調理員との関わりや一人一人への対応も食育

TERMSこのレッスンの用語

食を営む力Ability to manage one's own diet

生涯にわたって健康で質の高い生活を送る基本となる、食に関わる力。保育所の食育は、この力の育成に向けて基礎を培うことを目標とする。

食育計画Food education plan

保育所で、食事の提供を含む食育を進めるための計画。全体的な計画に基づいて作り、評価と改善に努める。

LESSON 9-3 の確認

確認問題(全3問)

本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。

Q1. 保育所保育指針が示す、保育所における食育の目標はどれでしょう?

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正解: 3. 健康な生活の基本としての「食を営む力」の育成に向け、その基礎を培うこと
正解です。指針は「食を営む力」の基礎を培うことを目標とし、食べることを楽しみ、食事を楽しみ合う子どもに育つことを期待しています。

Q2. 食育基本法の前文は、食育をどのように位置付けているでしょう?

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正解: 2. 生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきもの
ここがポイントです。前文は、食育を生きる上での基本であり、知育・徳育・体育の基礎となるべきものと位置付けています。

日常の場面で考える

Q3. 4歳児クラスのNくんは、給食の野菜をよく残します。保育所保育指針の食育の考え方に合う関わりはどれでしょう?

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正解: 1. 調理員さんと野菜の話をしたり、育てた野菜にふれたりする機会をつくり、食べることへの興味を育てる
惜しかった人も大丈夫です。指針は、意欲をもって食に関わる体験を積み重ね、食べることを楽しむ子どもに育つことを期待しています。調理する人との関わりへの配慮も求めています。

レッスン9-3はここまでです

迷った問題は、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。間違えた問題は復習ページに自動で入ります。

第9章 子どもの食と栄養 のレッスン一覧
  1. 9-1食事摂取基準の読み方
  2. 9-2授乳と離乳の進め方
  3. 9-3保育所の食育
  4. 9-4食物アレルギーへの対応

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出典(3件)
  1. e-Gov法令検索「食育基本法」(平成17年法律第63号)前文・第2条・第5条・第6条
  2. 厚生労働省「保育所保育指針」(平成29年厚生労働省告示第117号)第3章 2 食育の推進
  3. 厚生労働省「食を通じた子どもの健全育成(-いわゆる「食育」の視点から-)のあり方に関する検討会」報告書「楽しく食べる子どもに〜食からはじまる健やかガイド〜」(2004年)