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第9章 子どもの食と栄養 ・ レッスン9-1

食事摂取基準とは?5つの指標と子どものエネルギーの読み方

約4分 ・ 公開日 2026-10-06

このレッスンの問い

1歳の子と5歳の子。1日に必要なエネルギーは、どのくらい違うと思いますか?

読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。

01食事摂取基準は、とる量の「ものさし」

日本人の食事摂取基準は、健康な人がエネルギーと栄養素をどれだけとるとよいかを示す、厚生労働省の基準です。

最新は2025年版で、使用期間は令和7年度から令和11年度の5年間です。健康増進法に基づき、厚生労働大臣が定めるものとされています。

対象は、健康な個人と、健康な人を中心とした集団です。年齢区分では、1〜17歳を小児、18歳以上を成人としています。

乳児は、0〜5か月と6〜11か月の2つに分けます。成長に合わせて細かく見る必要があるときは、6〜8か月と9〜11か月に分けます。

02栄養素の指標は、3つの目的と5つの指標

栄養素の指標は、不足を避ける3つ、とりすぎを避ける1つ、生活習慣病の予防のための1つの、合わせて5つです。

不足を避ける指標は、推定平均必要量、推奨量、目安量です。推定平均必要量は、半数の人が必要量を満たす量です。推奨量は、ほとんどの人(97〜98%)が充足している量です。

科学的根拠が足りず、この2つを決められない栄養素には目安量を設けます。目安量以上をとっていれば、不足のリスクはほとんどありません。

とりすぎを避ける指標が耐容上限量で、これを超えると健康障害のリスクが高まると考えます。生活習慣病の予防のために、当面の目標とする量が目標量です。

03子どものエネルギーは推定エネルギー必要量で見る

エネルギーは推定エネルギー必要量で示し、成長期の子どもでは、成長に必要な分も加えて求めます。

推定エネルギー必要量は、体重1kg当たりの基礎代謝量基準値、参照体重、身体活動レベル基準値をかけて求めます。小児では、ここに成長に必要なエネルギーを付加量として加えます。

身体活動レベルが「ふつう」の場合、1〜2歳は男児950kcal/日、女児900kcal/日です。3〜5歳は男児1,300kcal/日、女児1,250kcal/日です。

乳児・小児では、成長曲線に照らして成長の程度を確かめます。成長曲線は、一時点の値より、一定期間の成長の方向を見るのに適しています。

年齢区分男児女児
0〜5か月550500
6〜8か月650600
9〜11か月700650
1〜2歳950900
3〜5歳1,3001,250
子どもの推定エネルギー必要量(kcal/日。1歳以上は身体活動レベル「ふつう」。厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」乳児・小児の章をもとに作成)

あなたの場合は?

あなたが昨日食べたもので、とりすぎが気になる栄養素はありますか?それは5つの指標のうち、どれで確かめるとよいでしょう?

答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。

覚えるのはこの3つ

  1. 食事摂取基準(2025年版)は厚生労働省の基準で、使用期間は令和7〜11年度の5年間
  2. 栄養素の指標は5つ。不足を避ける推定平均必要量・推奨量・目安量、とりすぎを避ける耐容上限量、生活習慣病予防の目標量
  3. 推定エネルギー必要量(ふつう)は、1〜2歳で男児950・女児900kcal/日、3〜5歳で男児1,300・女児1,250kcal/日

TERMSこのレッスンの用語

推奨量Recommended dietary allowance (RDA)

食事摂取基準の指標の1つ。ある集団のほとんどの人(97〜98%)が必要量を充足している量。

耐容上限量Tolerable upper intake level (UL)

食事摂取基準の指標の1つ。健康障害のリスクがないとみなされる習慣的な摂取量の上限で、超えるとリスクが高まると考える。

推定エネルギー必要量Estimated energy requirement (EER)

性・年齢区分・身体活動レベル別に示した、1日に必要なエネルギーの推定値。小児では成長に必要な分を加えて求める。

LESSON 9-1 の確認

確認問題(全3問)

本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。

Q1. 食事摂取基準の「推奨量」の説明として正しいものはどれでしょう?

答えを見る

正解: 2. 集団のほとんどの人(97〜98%)が充足している量
正解です。半数の人が満たす量は推定平均必要量、上限は耐容上限量です。

Q2. 食事摂取基準(2025年版)で、身体活動レベル「ふつう」の3〜5歳の男児の推定エネルギー必要量はどれでしょう?

答えを見る

正解: 3. 1,300kcal/日
ここがポイントです。3〜5歳は男児1,300kcal/日、女児1,250kcal/日です。950kcal/日は1〜2歳の男児の値です。

日常の場面で考える

Q3. 保護者のLさんから「この栄養素は、子どもが毎日、目安量より多くとれています。足りていますか?」と聞かれました。基準の考え方に合う答えはどれでしょう?

答えを見る

正解: 1. 目安量以上をとっていれば、不足のリスクはほとんどないとされています
惜しかった人も大丈夫です。目安量は一定の栄養状態を維持するのに十分な量で、目安量以上なら不足のリスクはほとんどありません。とりすぎの目安は耐容上限量で見ます。

レッスン9-1はここまでです

迷った問題は、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。間違えた問題は復習ページに自動で入ります。

第9章 子どもの食と栄養 のレッスン一覧
  1. 9-1食事摂取基準の読み方
  2. 9-2授乳と離乳の進め方
  3. 9-3保育所の食育
  4. 9-4食物アレルギーへの対応

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出典(4件)
  1. 厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2025年版の使用期間)
  2. 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 総論(指標の目的と種類、年齢区分)
  3. 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 エネルギー(推定エネルギー必要量の算定方法)
  4. 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 乳児・小児(推定エネルギー必要量の再掲表)