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第4章 子ども家庭福祉 ・ レッスン4-1児童福祉法とは?すべての子どもに保障される権利
約4分 ・ 公開日 2026-10-05
このレッスンの問い
子どもが健やかに育つことは、誰の責任だと思いますか?保護者だけでしょうか。
読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。
子どものことで心配なときの相談先
この講座は学習用で、個別のケースの判断はできません。虐待かもしれないと思ったときや、子育てに悩んだときは、次の公的な窓口に相談できます。確信がなくても相談できます。
- 児童相談所 虐待対応ダイヤル 189(いちはやく。近くの児童相談所につながります。通話料無料・匿名で相談でき、秘密は守られます。一部のIP電話からはつながりません)
- 親子のための相談LINE(子育てや親子関係の悩みを、親も子どももLINEで相談できます。こども家庭庁の案内)
命の危険があるときは110番に連絡してください。出典: こども家庭庁「児童相談所 虐待対応ダイヤル189」、こども家庭庁「親子のための相談LINE」
01第1条:子どもは権利を持つ存在
児童福祉法第1条は、全ての子どもが、適切に養育され、健やかに成長・発達することなどの福祉を等しく保障される権利を持つと定めています。
児童福祉法は、子どもの福祉の基本となる法律で、昭和22年(1947年)に制定されました。この法律で児童とは、満18歳に満たない人を指します(第4条)。
第1条は、全ての子どもが、適切に養育されること、生活を保障されること、愛され保護されることなどを定めています。そして、それらの福祉を等しく保障される権利を持つとしています。主語は「全て児童は」で、子どもは守られるだけでなく、権利を持つ存在として書かれています。
第1条は、これらの権利が「児童の権利に関する条約の精神にのつとり」保障されるとも書いています。子どもを権利の主体ととらえるこの条約は、次のレッスンで学びます。
02第2条:子どもを育てる責任は誰にあるか
第2条は、全ての国民に子どもの健やかな育成に努めるよう求め、保護者が第一義的責任を、国と地方公共団体が保護者とともに責任を負うと定めています。
第2条第1項は、全ての国民に努力を求めています。子どもの年齢と発達の程度に応じて、その意見が尊重され、最善の利益が優先して考慮されるようにする努力です。
第2条第2項は、保護者が子どもを心身ともに健やかに育てることについて、第一義的責任を負うと定めています。まず保護者が責任を負う、という意味です。
ただし、保護者だけに任せるわけではありません。第3項は、国と地方公共団体も、保護者とともに子どもを育成する責任を負うと定めています。
03第3条・第3条の2:原理として尊重し、家庭を支える
第1条と第2条は子どもの福祉を保障するための原理で、子どもに関するすべての法令の施行にあたって常に尊重されます(第3条)。
第3条は、第1条と第2条を「児童の福祉を保障するための原理」と位置づけています。そして、子どもに関するすべての法令の施行にあたって、常に尊重されなければならないとしています。
第3条の2は、国と地方公共団体に、子どもが家庭で健やかに養育されるよう保護者を支援することを求めています。家庭での養育が難しい、または適当でない場合もあります。そのときは、家庭と同様の養育環境で継続的に養育されるよう、必要な措置を講じます。
家庭での養育が難しい子どもへの支援は、第6章(社会的養護)でくわしく学びます。
| 条文 | 誰が | 定めていること |
|---|---|---|
| 第1条 | 全ての子ども | 福祉を等しく保障される権利を持つ |
| 第2条第1項 | 全ての国民 | 子どもの意見の尊重と、最善の利益の優先に努める |
| 第2条第2項 | 保護者 | 健やかな育成について第一義的責任を負う |
| 第2条第3項 | 国・地方公共団体 | 保護者とともに育成の責任を負う |
| 第3条 | (第1条・第2条) | 子どもの福祉を保障する原理として、常に尊重される |
| 第3条の2 | 国・地方公共団体 | 家庭での養育を支え、難しいときは家庭と同様の養育環境を確保する |
あなたの場合は?
あなたが子どもの頃、保護者のほかに、どんな大人や場所に支えられていましたか?
答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。
覚えるのはこの3つ
- 全ての子どもは、福祉を等しく保障される権利を持つ(第1条)
- 保護者が第一義的責任を負い、国と地方公共団体も保護者とともに責任を負う(第2条)
- 第1条・第2条は子どもの福祉の原理で、すべての法令の施行で常に尊重される(第3条)
TERMSこのレッスンの用語
子どもを心身ともに健やかに育てることについて、まず保護者が負う責任(児童福祉法第2条第2項)。
児童福祉法第1条と第2条に定められた、子どもの福祉を保障するための原理。子どもに関するすべての法令の施行で常に尊重される(第3条)。
LESSON 4-1 の確認
確認問題(全3問)
本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。
Q1. 児童福祉法第1条で、福祉を等しく保障される権利を持つとされているのは誰でしょう?
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正解: 2. 全ての子ども
正解です。第1条の主語は「全て児童は」です。通っている施設や家庭の状況にかかわらず、全ての子どもが権利を持ちます。
Q2. 児童福祉法第2条で、子どもを健やかに育てることについて第一義的責任を負うのは誰でしょう?
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正解: 2. 保護者
惜しかった人も大丈夫です。第一義的責任を負うのは保護者です。国と地方公共団体は、保護者とともに育成の責任を負います。
Q3. 保育士のDさんは、ある保護者が仕事と子育ての両立に悩んでいると聞きました。児童福祉法の考え方に合うのはどれでしょう?
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正解: 2. 国や地方公共団体も保護者とともに責任を負うので、保護者を支える方法を考える
ここがポイントです。第2条第3項は国と地方公共団体も保護者とともに責任を負うとし、第3条の2は保護者の支援を求めています。保護者の第一義的責任がなくなるわけではありません。