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第3章 教育原理 ・ レッスン3-3

ルソー・フレーベル・モンテッソーリは子どもの見方をどう変えた?

約5分 ・ 公開日 2026-10-05

このレッスンの問い

子どもの「遊び」は、勉強の合間の休み時間だと思いますか?それとも、それ自体が学びだと思いますか?

読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。

前のレッスンの復習(1問)

本文に入る前に、前のレッスンを思い出してみましょう。

レッスン3-2から

Q1. 前のレッスンの復習です。幼保連携型認定こども園で働く保育教諭に、原則として必要なものはどれでしょう?

答えを見る

正解: 1. 幼稚園教諭の免許状と保育士の登録の両方
正解は1つめです。保育教諭には、原則として幼稚園教諭の免許状と保育士の登録の両方が必要です(認定こども園法第15条)。

01ルソー:子どもの自然な発達に合わせる

ルソーは1762年の『エミール』で、子どもの自然な力の発達に合わせ、経験から学ばせる教育を説きました。

ジュネーブ生まれの思想家ルソーは、1762年に『エミール』を出しました。大人が決めた内容を教え込むのではありません。子どもの自然な力の発達に合わせて教育する、という考えです。

子どもに何をすべきかを言うのではなく、大人は環境を整えます。子どもは自分で試して、自分で結論にたどり着きます。この考えは消極教育と呼ばれます。

幼いうちは本や授業ではなく、実際の経験から学ぶとしました。発達の段階ごとに教育を変える考えです。次に学ぶフレーベルも、ルソーの影響を受けています。

02フレーベル:遊びは子どもの大切な学び

フレーベルは遊びを子どもの発達に欠かせないものと考え、1840年に自分の施設を「幼稚園(Kindergarten)」と名づけました。

ドイツのフレーベルは、1837年に幼い子どものための遊びと活動の施設を開きました。1840年に、これを Kindergarten(子どもたちの庭)と名づけます。Kindergarten という言葉の始まりです。

フレーベルは、遊びはささいなものではなく、発達に欠かせないものだと考えました。教え込むより、子どもが遊びの中で自ら表現し学ぶことを励ましました。そのために、球や立方体、円柱などの遊具「恩物」を考えました。

日本の幼稚園は、1876年(明治9年)11月に開かれた東京女子師範学校付属幼稚園から始まりました。この幼稚園も、フレーベルの幼稚園を手本にしました。

03モンテッソーリ:子どもが自分で選べる環境

モンテッソーリは1907年にローマで「子どもの家」を開き、子どもが自分で活動を選べるよう整えた環境を重んじました。

イタリアのモンテッソーリは、1907年1月6日、ローマのサン・ロレンツォ地区で「子どもの家」を開きました。貧しい地区の子どもたちが通う場所でした。

部屋には、子どもの体に合った大きさの家具を置きます。教具は、子どもが自由に選べるよう並べます。子どもは自分で選んだ活動に取り組み、大人はよく観察して支えます。

3人とも、大人が教え込むより、子どもが自分から関わることを大切にしました。いまの幼稚園教育要領や保育所保育指針も、保育を「環境を通して」行うと書いています。

人物年と出来事子どもの見方いまの保育とのつながり
ルソー1762年『エミール』自然な発達に合わせ、経験から学ぶ大人が教え込まず、環境を整える
フレーベル1840年 Kindergarten と名づける遊びは発達に欠かせない遊びを通しての指導
モンテッソーリ1907年 ローマに「子どもの家」自分で選んだ活動に取り組む子どもが自ら関われる環境づくり
3人の教育思想家と、いまの保育とのつながり(スタンフォード哲学百科事典・ローハンプトン大学・AMIなどをもとに作成)

あなたの場合は?

子どもが自分から遊びたくなる部屋をつくるとしたら、あなたは何をどこに置きますか?

答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。

覚えるのはこの3つ

  1. ルソー:1762年『エミール』。子どもの自然な発達に合わせ、経験から学ばせる
  2. フレーベル:1840年に Kindergarten と名づけた。遊びは発達に欠かせない
  3. モンテッソーリ:1907年ローマに「子どもの家」。子どもが自分で選べる環境

TERMSこのレッスンの用語

消極教育Negative education

ルソーが『エミール』で示した、大人が教え込むのではなく、子どもの自然な発達に合わせて自分で発見させる教育の考え方。

恩物Froebel's gifts

フレーベルが幼稚園の子どものために考えた、球・立方体・円柱などの遊具のセット。

子どもの家Casa dei Bambini (Children's House)

モンテッソーリが1907年にローマのサン・ロレンツォ地区で開いた、幼い子どものための施設。

LESSON 3-3 の確認

確認問題(全3問)

本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。

Q1. 1840年に、自分の施設を Kindergarten(幼稚園)と名づけた人物は誰でしょう?

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正解: 2. フレーベル
正解です。フレーベルは1837年に開いた施設を、1840年に Kindergarten と名づけました。ルソーは『エミール』、モンテッソーリは「子どもの家」で覚えましょう。

Q2. 1907年にローマで「子どもの家」を開いたモンテッソーリが重んじたものはどれでしょう?

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正解: 2. 子どもに合った家具と、自由に選べる教具を整えた環境
ここがポイントです。モンテッソーリは、子どもの体に合った家具を置き、教具を自由に選べるように並べた環境を整えました。

日常の場面で考える

Q3. 保育士のFさんは、ブロックで遊び続ける子どもを見て「そろそろお勉強の時間にしよう」と考えています。フレーベルの考え方に近い見方はどれでしょう?

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正解: 2. 遊びは発達に欠かせない学びなので、何を試しているかを見守る
惜しかった人も大丈夫です。フレーベルは、遊びはささいなものではなく発達に欠かせないものだと考えました。いまの幼稚園教育要領も、遊びを通しての指導を中心にしています。

レッスン3-3はここまでです

迷った問題は、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。間違えた問題は復習ページに自動で入ります。

第3章 教育原理 のレッスン一覧
  1. 3-1教育基本法と幼児期
  2. 3-23つの施設の違い
  3. 3-3教育思想家たち

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出典(8件)
  1. Stanford Encyclopedia of Philosophy "Jean Jacques Rousseau"
  2. University of Roehampton Library "Froebel Archive for Childhood Studies"
  3. University of Edinburgh "Froebel: an introduction"(Froebelian futures)
  4. Froebel Trust "Froebel's Gifts"
  5. 文部科学省「学制百年史 五 幼稚園の創設」
  6. Montessori Australia "The First Casa dei Bambini"
  7. Association Montessori Internationale "Montessori Environments"
  8. 文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年文部科学省告示第62号)