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第4章 子ども家庭福祉 ・ レッスン4-3

児童虐待とは?4つの種類と、保育士が気づける兆し

約5分 ・ 公開日 2026-10-05

このレッスンの問い

子どもの目の前で、家族に暴力をふるうこと。これは子どもへの虐待に当たると思いますか?

読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。

前のレッスンの復習(1問)

本文に入る前に、前のレッスンを思い出してみましょう。

レッスン4-2から

Q1. 前のレッスンの復習です。こども基本法が施行されたのはいつでしょう?

答えを見る

正解: 1. 2023年4月1日
正解は2023年4月1日です。1989年11月20日は子どもの権利条約が国連総会で採択された日、1994年は日本が条約を批准した年です。

子どものことで心配なときの相談先

この講座は学習用で、個別のケースの判断はできません。虐待かもしれないと思ったときや、子育てに悩んだときは、次の公的な窓口に相談できます。確信がなくても相談できます。

命の危険があるときは110番に連絡してください。出典: こども家庭庁「児童相談所 虐待対応ダイヤル189」、こども家庭庁「親子のための相談LINE」

01児童虐待の定義:誰が、誰に、何を

児童虐待防止法第2条は、児童虐待を、保護者がその監護する18歳未満の子どもに行う4種類の行為と定めています。

ここでいう保護者とは、親権を行う者や未成年後見人など、子どもを現に監護する人です。なお第3条は、保護者に限らず「何人も」子どもに虐待をしてはならないと定めています。

1つ目は身体的虐待で、子どもの体に外傷が生じる、または生じるおそれのある暴行です。2つ目は性的虐待で、子どもにわいせつな行為をすること、またはさせることです。

3つ目はネグレクトで、著しい減食や長時間の放置など、保護者としての監護を著しく怠ることです。同居人による虐待を保護者が放置することも含まれます。4つ目は心理的虐待で、著しい暴言や著しく拒絶的な対応などです。

02心理的虐待と面前DV、統計から見えること

子どもが同居する家庭での配偶者への暴力も心理的虐待に含まれ、令和6年度の児童相談所の対応件数では心理的虐待が最も多くなっています。

第2条第4号は、子どもが同居する家庭での配偶者に対する暴力も、心理的虐待に含めています。子どもの目の前で家族に暴力をふるうことは、面前DVとも呼ばれます。子どもが直接たたかれていなくても、虐待に当たるのです。

こども家庭庁によると、令和6年度に全国の児童相談所が対応した児童虐待相談は223,691件でした。内訳は、心理的虐待が133,024件(59.5%)で最も多く、身体的虐待が52,535件(23.5%)で続きます。

ネグレクトは35,612件(15.9%)、性的虐待は2,520件(1.1%)です。これは児童相談所が相談に対応した件数で、虐待が起きた数そのものではありません。

03気づける兆し:判断ではなく、気づくきっかけ

こども家庭庁は子どもや保護者のサインの例を示していますが、これは虐待と判断するためではなく、気づくきっかけとして使うものです。

こども家庭庁の特設サイトは、子どものサインとして、不自然な傷や打撲のあと、衣類や体がいつも汚れている、表情が乏しく活気がない、などを挙げています。保護者のサインとしては、子どものけがについて不自然な説明をする、養育に拒否的・無関心である、などです。

サインがあるから虐待だと決めつけるものではありません。保育士の役目は虐待を証明することではなく、「もしかして」と気づくことです。同じサイトも、思い過ごしでも大丈夫だと呼びかけています。

通告は、虐待を受けたと「思われる」段階で行います(児童虐待防止法第6条、第1章で学びました)。気づいたあとの流れは、次のレッスンで学びます。

種類法律の定め(要約)例令和6年度の対応件数
身体的虐待外傷が生じる、または生じるおそれのある暴行殴る、蹴る、叩く、激しく揺さぶる、やけどを負わせる など52,535件(23.5%)
性的虐待わいせつな行為をする、させる子どもへの性的行為、性的行為を見せる など2,520件(1.1%)
ネグレクト著しい減食、長時間の放置など、監護を著しく怠る家に閉じ込める、食事を与えない、重い病気でも病院に連れて行かない など35,612件(15.9%)
心理的虐待著しい暴言、著しく拒絶的な対応、配偶者への暴力など言葉による脅し、無視、きょうだい間での差別的扱い、面前DV など133,024件(59.5%)
児童虐待の4つの種類(児童虐待防止法第2条、こども家庭庁の特設サイトと「令和6年度の児童虐待相談対応件数」をもとに作成)

あなたの場合は?

身近な子どもの様子が「いつもと違う」と感じたとき、あなたはその気づきを誰かに話せそうですか?

答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。

覚えるのはこの3つ

  1. 児童虐待は、保護者が18歳未満の子どもに行う身体的虐待・性的虐待・ネグレクト・心理的虐待の4種類
  2. 面前DVは心理的虐待に含まれる。令和6年度の対応件数では心理的虐待が約6割で最も多い
  3. サインは気づくきっかけ。保育士は虐待を証明しなくてよい

TERMSこのレッスンの用語

ネグレクトNeglect

著しい減食や長時間の放置など、保護者としての監護を著しく怠ること。児童虐待の4つの種類の1つ(児童虐待防止法第2条第3号)。

心理的虐待Psychological abuse

子どもへの著しい暴言や著しく拒絶的な対応、同居する家庭での配偶者への暴力など、子どもに著しい心理的外傷を与える言動(児童虐待防止法第2条第4号)。

面前DVDomestic violence witnessed by a child

子どもの目の前で家族に暴力をふるうこと。心理的虐待に当たる。

LESSON 4-3 の確認

確認問題(全3問)

本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。

Q1. 児童虐待防止法が定める児童虐待の4つの種類に含まれないものはどれでしょう?

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正解: 3. 経済的虐待
正解です。児童虐待防止法の4つの種類は、身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待です。

Q2. 子どもが同居する家庭で、保護者が配偶者に暴力をふるうことは、どの種類の虐待に当たるでしょう?

答えを見る

正解: 2. 心理的虐待
惜しかった人も大丈夫です。第2条第4号は、子どもが同居する家庭での配偶者に対する暴力を、心理的虐待に含めています。面前DVとも呼ばれます。

日常の場面で考える

Q3. 保育士のEさんは、ある子どもの服がここ数日いつも汚れていて、表情も乏しいことに気づきました。適切な考え方はどれでしょう?

答えを見る

正解: 2. 気づくきっかけとして受け止め、通告や相談につなげることを考える
ここがポイントです。サインは虐待と判断するためのものではなく、気づくきっかけです。保育士が虐待を証明する必要はなく、通告は「思われる」段階で行います。

レッスン4-3はここまでです

迷った問題は、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。間違えた問題は復習ページに自動で入ります。

第4章 子ども家庭福祉 のレッスン一覧
  1. 4-1児童福祉法の原理
  2. 4-2権利条約とこども基本法
  3. 4-3児童虐待の4つの種類
  4. 4-4通告のあとの流れ
  5. 4-5保育の必要性の認定

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出典(3件)
  1. e-Gov法令検索「児童虐待の防止等に関する法律」(第2条・第3条)
  2. こども家庭庁「児童虐待防止推進特設サイト」(虐待の種類と、子ども・保護者のサイン)
  3. こども家庭庁「令和6年度の児童虐待相談対応件数」(令和8年1月現在)