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第4章 子ども家庭福祉 ・ レッスン4-4

虐待に気づいたら?通告のあとの流れと児童相談所・要対協

約5分 ・ 公開日 2026-10-05

このレッスンの問い

保育士が虐待の疑いを通告したら、そのあと子どもはどうなると思いますか?すぐに家から離されるのでしょうか。

読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。

前のレッスンの復習(1問)

本文に入る前に、前のレッスンを思い出してみましょう。

レッスン4-3から

Q1. 前のレッスンの復習です。令和6年度に児童相談所が対応した児童虐待相談で、最も多かった種類はどれでしょう?

答えを見る

正解: 2. 心理的虐待
正解は心理的虐待です。令和6年度は133,024件(59.5%)で最も多く、身体的虐待が続きました。

子どものことで心配なときの相談先

この講座は学習用で、個別のケースの判断はできません。虐待かもしれないと思ったときや、子育てに悩んだときは、次の公的な窓口に相談できます。確信がなくても相談できます。

命の危険があるときは110番に連絡してください。出典: こども家庭庁「児童相談所 虐待対応ダイヤル189」、こども家庭庁「親子のための相談LINE」

01通告を受けたら:まず安全を確認する

通告を受けた市町村や児童相談所は、子どもとの面会などで、子どもの安全を確認するための措置をとります(児童虐待防止法第8条)。

通告の義務と通告先は、第1章で学びました。通告を受けた市町村、福祉事務所、児童相談所は、子どもとの面会などで安全の確認を行います。必要に応じて、学校の教職員や児童福祉施設の職員などの協力を得ます。

市町村は、必要に応じて子どもを児童相談所に送致します。安全の確認、送致、一時保護は、速やかに行うこととされています(第8条第3項)。

通告を受けた機関の職員は、通告した人を特定させる情報を漏らしてはなりません(第7条)。通告した人を守るための決まりです。

02一時保護:子どもの安全を迅速に確保する

児童相談所長は、児童虐待のおそれがあるときなどに必要と認めれば、子どもの安全を迅速に確保するため一時保護を行えます(児童福祉法第33条)。

一時保護の目的は、子どもの安全を迅速に確保し、適切に保護することです。子どもの心身の状況や、置かれている環境を把握するためにも行います。

親権を行う者などの同意がある場合などを除き、開始から7日以内に、裁判官に一時保護状を請求します。期間は、開始から2か月を超えてはならないのが原則です。親権を行う者などの意に反して2か月を超えて続けるときは、家庭裁判所の承認が必要です。

通告すれば必ず一時保護になるわけではありません。安全を確認したうえで、家庭で暮らしながら調査や支援を続けることもあります。

03要対協:地域で子どもを支えるネットワーク

要保護児童対策地域協議会(要対協)は、地方公共団体が関係機関を集めて置く協議会で、保育所も構成機関として情報を交換し、支援を話し合います(児童福祉法第25条の2)。

要対協は、保護や支援が必要な子どもなどへの適切な支援を図るための協議会です。地方公共団体は、置くように努めなければなりません。協議会では、情報の交換と、支援の内容の協議を行います。

こども家庭庁の資料は、構成機関の例として、児童相談所、保健機関、学校・教育委員会、警察、医療機関、保育所・幼稚園などを挙げています。協議会の事務をまとめるのは、要保護児童対策調整機関です。

保育所が関わる仕組みに、市町村などへの定期的な情報提供もあります。対象の子どもの出欠状況などを、おおむね1か月に1回を標準に伝えます。理由を問わず7日以上欠席が続くときは、期日を待たずに連絡します。

段階誰が主な内容根拠
気づく・通告する保育士など虐待を受けたと思われる段階で、市町村や児童相談所などに通告する児童虐待防止法第6条
安全を確認する市町村・児童相談所など子どもとの面会などで安全を確認する。必要なら児童相談所に送致する児童虐待防止法第8条
一時保護児童相談所長子どもの安全を迅速に確保する。同意がある場合などを除き、7日以内に一時保護状を請求する児童福祉法第33条
地域で支える要保護児童対策地域協議会関係機関が情報を交換し、支援の内容を協議する児童福祉法第25条の2
虐待に気づいてからの主な流れ(児童虐待防止法・児童福祉法と、こども家庭庁の資料をもとに作成)

あなたの場合は?

あなたの住む地域の児童相談所や、市町村の子ども・子育ての相談窓口がどこにあるか、知っていますか?

答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。

覚えるのはこの3つ

  1. 通告を受けた機関は、子どもとの面会などで安全を確認する(児童虐待防止法第8条)
  2. 一時保護は児童相談所長が行う。同意がある場合などを除き、7日以内に一時保護状を請求する(児童福祉法第33条)
  3. 要対協は関係機関が情報を交換し、支援を協議する場。保育所も構成機関になる(第25条の2)

TERMSこのレッスンの用語

安全確認Safety confirmation

虐待の通告を受けた市町村や児童相談所が、子どもとの面会などで子どもの安全を確かめること(児童虐待防止法第8条)。

一時保護Temporary protective custody

児童相談所長が、子どもの安全を迅速に確保し適切に保護するためなどに、子どもを一時的に保護すること(児童福祉法第33条)。

一時保護状Temporary custody warrant

一時保護を行うとき、親権を行う者などの同意がある場合などを除き、児童相談所長などが開始から7日以内に裁判官に請求する令状(児童福祉法第33条)。

LESSON 4-4 の確認

確認問題(全3問)

本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。

Q1. 通告を受けた市町村や児童相談所が行うこととして、児童虐待防止法第8条が定めているのはどれでしょう?

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正解: 1. 子どもとの面会などによる安全の確認
正解です。第8条は、子どもとの面会などで安全を確認する措置を定めています。通告した人を特定させる情報は、第7条で漏らしてはならないとされています。

Q2. 一時保護について、正しいものはどれでしょう?

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正解: 2. 児童相談所長が、子どもの安全を迅速に確保するためなどに行う
惜しかった人も大丈夫です。一時保護は児童相談所長が必要と認めるときに行います(児童福祉法第33条)。通告すれば必ず一時保護になるわけではありません。

日常の場面で考える

Q3. 定期的な情報提供の対象になっている園児のGさんが、休業日を除いて7日以上続けて欠席しています。保護者から欠席の連絡はあり、園は本人に会えていません。適切な対応はどれでしょう?

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正解: 2. 理由を問わず、期日を待たずに市町村などへ連絡する
ここがポイントです。こども家庭庁の通知は、理由を問わず7日以上欠席が続く場合は、定期的な情報提供の期日を待たずに速やかに市町村などへ連絡するよう求めています。

レッスン4-4はここまでです

迷った問題は、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。間違えた問題は復習ページに自動で入ります。

第4章 子ども家庭福祉 のレッスン一覧
  1. 4-1児童福祉法の原理
  2. 4-2権利条約とこども基本法
  3. 4-3児童虐待の4つの種類
  4. 4-4通告のあとの流れ
  5. 4-5保育の必要性の認定

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出典(5件)
  1. e-Gov法令検索「児童虐待の防止等に関する法律」(第7条・第8条)
  2. e-Gov法令検索「児童福祉法」(第25条の2・第33条)
  3. こども家庭庁「要保護児童対策地域協議会の概要」
  4. こども家庭庁「保育所等から市町村又は児童相談所への定期的な情報提供について」(令和5年8月4日)
  5. こども家庭庁「子ども虐待対応の手引き」の全部改正について(令和7年12月24日)