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第12章 保育の現場の課題 ・ レッスン12-3子どもの安全を守るしくみ。安全計画と事故の予防
約5分 ・ 公開日 2026-10-06
このレッスンの問い
保育所の送迎バスで、子どもが車内に取り残されるのを防ぐには、人の注意のほかにどんな仕組みがあるとよいと思いますか?
読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。
前のレッスンの復習(1問)
本文に入る前に、前のレッスンを思い出してみましょう。
Q1. 前のレッスンの復習です。令和7年8月に改訂された虐待防止のガイドラインが、虐待かどうかを判断するとき最初に考えることはどれでしょう?
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正解: 2. 行われた行為そのもの
正解は行われた行為そのものです。それだけで判断できないときに、行為の強さや頻度、保育士の意図、子どもへの影響を考えます。
子どものことで心配なときの相談先
この講座は学習用で、個別のケースの判断はできません。虐待かもしれないと思ったときや、子育てに悩んだときは、次の公的な窓口に相談できます。確信がなくても相談できます。
- 児童相談所 虐待対応ダイヤル 189(いちはやく。近くの児童相談所につながります。通話料無料・匿名で相談でき、秘密は守られます。一部のIP電話からはつながりません)
- 親子のための相談LINE(子育てや親子関係の悩みを、親も子どももLINEで相談できます。こども家庭庁の案内)
命の危険があるときは110番に連絡してください。出典: こども家庭庁「児童相談所 虐待対応ダイヤル189」、こども家庭庁「親子のための相談LINE」
01安全計画:施設ごとに安全の計画をつくる
保育所は令和5年4月から、設備の安全点検、安全指導、職員の研修・訓練などを定めた安全計画をつくり、それに従って取り組むことが義務になりました(基準第6条の3)。
安全計画には、設備の安全点検や、散歩などの施設外の活動も含めた安全指導を盛り込みます。職員の研修や訓練も計画に入れます。施設は職員に計画を周知し、研修と訓練を定期的に行います。
保育所は、安全計画に基づく取り組みの内容を保護者にも知らせます。家庭と連携して子どもの安全を守るためです。施設は定期的に計画を見直し、必要なら変更します。
02送迎バス:点呼と安全装置で見落としを防ぐ
車で子どもを移動させるときは、乗るときと降りるときに点呼などで所在を確かめます。送迎バスには、見落としを防ぐブザーなどの装置が義務づけられました(基準第6条の4)。
令和3年7月と令和4年9月に、送迎バスに置き去りにされた子どもが亡くなる事案が起きました。これを受けて国は、令和4年10月に「こどものバス送迎・安全徹底プラン」をまとめました。
送迎を目的とした車を日常的に運行する保育所は、車内の子どもの見落としを防ぐブザーなどの装置を備えます。その装置を使って、降車のときの所在確認を行います。この決まりは令和5年4月1日に施行され、令和6年3月末までの経過措置がありました。
人はだれでも見落とすことがあります。そこで、人の確認に装置の確認を重ねて防ぐのが、この仕組みの考え方です。
03ヒヤリハットを集めて、事故を予防する
事故防止ガイドラインは、重大事故につながりかねない場面に関わった職員がヒヤリハット報告を出し、施設が要因を分析して対策に生かす取り組みを示しています。
ヒヤリハット報告は、重大事故が起きるおそれがあった場面に関わった職員が作成し、施設に出す報告です。施設は集めた報告から、睡眠中、プール活動・水遊び中、食事中など事故が起こりやすい場面の要因を分析します。場面ごとの注意点は、第8章で学びました。
分析して決めた対策は、研修を通じて職員に伝えます。プールの監視や子どもの人数確認では、声に出して指差し確認をすることも勧められています。ヒヤリハットは、個人の失敗を責める材料ではなく、仕組みを改善する手がかりです。
| しくみ | 主な内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 安全計画 | 安全点検・安全指導・研修や訓練を計画し、職員と保護者に周知する | 基準第6条の3 |
| 車での移動時の所在確認 | 乗るときと降りるときに、点呼などで子どもの所在を確かめる | 基準第6条の4第1項 |
| 送迎バスの安全装置 | 日常的な送迎の車にブザーなどを備え、降車時の確認に使う | 基準第6条の4第2項 |
| ヒヤリハット報告 | 職員が報告し、施設が要因を分析して対策を研修で共有する | 事故防止ガイドライン |
あなたの場合は?
あなたの家や職場で、最近「ひやりとした」「はっとした」出来事はありますか?それを防ぐ工夫を一つ考えてみましょう。
答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。
覚えるのはこの3つ
- 保育所は令和5年4月から安全計画の策定が義務。職員と保護者に周知し、定期的に見直す(基準第6条の3)
- 送迎バスは点呼などで所在を確認し、ブザーなどの装置を使って降車時に確かめる(基準第6条の4)
- ヒヤリハット報告を集めて施設が要因を分析し、対策を研修で共有して事故を予防する
TERMSこのレッスンの用語
児童福祉施設が、設備の安全点検、施設外の活動を含む安全指導、職員の研修や訓練などについて定める計画。保育所は令和5年4月から策定が義務になった(基準第6条の3)。
重大事故が起きるおそれがあった場面に関わった職員が作成し、施設に出す報告。事故防止ガイドラインは、施設が報告から要因を分析し、事故防止対策に生かす取り組みを示している。
送迎を目的とした車に備える、車内の子どもの見落としを防ぐブザーなどの装置。日常的に送迎する保育所は、降車時の所在確認に使う(基準第6条の4第2項)。
LESSON 12-3 の確認
確認問題(全3問)
本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。
Q1. 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第6条の3が、保育所に求めていることとして正しいものはどれでしょう?
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正解: 1. 安全計画をつくり、職員と保護者に周知し、定期的に見直す
正解です。安全計画は職員に周知して研修・訓練を定期的に行い、保護者にも取り組みの内容を知らせます。定期的な見直しも行います。
Q2. 日常的に送迎バスを運行する保育所が、ブザーなどの安全装置を使って行うことはどれでしょう?
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正解: 2. 子どもが降りるときの所在確認
ここがポイントです。基準第6条の4第2項は、ブザーなどの装置を使って、降車のときの所在確認を行うよう定めています。
Q3. 給食の配膳で、アレルギーのある子の代替食を、ほかの子の席に置きかけて気づきました。けがも誤食もありませんでした。事故防止ガイドラインの考え方に沿う対応はどれでしょう?
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正解: 2. ヒヤリハットとして報告し、施設で要因を分析して対策を共有する
惜しかった人も大丈夫です。事故に至らなくても、報告を集めて要因を分析することが予防につながります。目的は個人を責めることではなく、仕組みを改善することです。