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第12章 保育の現場の課題 ・ レッスン12-1保育士不足はなぜ起きる?配置基準と働き方のしくみ
約5分 ・ 公開日 2026-10-06
このレッスンの問い
保育士の資格を持つ人は、国内に何人くらいいると思いますか?そのうち、実際に保育の現場で働いている人はどのくらいでしょう。
読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。
子どものことで心配なときの相談先
この講座は学習用で、個別のケースの判断はできません。虐待かもしれないと思ったときや、子育てに悩んだときは、次の公的な窓口に相談できます。確信がなくても相談できます。
- 児童相談所 虐待対応ダイヤル 189(いちはやく。近くの児童相談所につながります。通話料無料・匿名で相談でき、秘密は守られます。一部のIP電話からはつながりません)
- 親子のための相談LINE(子育てや親子関係の悩みを、親も子どももLINEで相談できます。こども家庭庁の案内)
命の危険があるときは110番に連絡してください。出典: こども家庭庁「児童相談所 虐待対応ダイヤル189」、こども家庭庁「親子のための相談LINE」
01配置基準:子ども何人に保育士1人か
保育所の保育士の数は、国の基準第33条が子どもの年齢ごとに決めています。令和6年度には、3歳児と4・5歳児の基準が改善されました。
児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第33条は、乳児おおむね3人、1・2歳児おおむね6人につき保育士1人以上と定めています。3歳児はおおむね15人、4歳以上児はおおむね25人につき1人以上です。どの保育所も、保育士は2人を下ることはできません。
令和6年度、4・5歳児は30対1から25対1へ、3歳児は20対1から15対1へ改められました。こども家庭庁は、4・5歳児の改善を制度創設以来76年ぶりとしています。人材の確保が難しい場合に配慮し、当分の間は従前の基準で運営することも妨げない経過措置があります。
1歳児は、基準そのものは6対1のままです。令和7年4月からは、ICTの活用など一定の条件を満たし、5対1以上に手厚くした施設に費用を上乗せする加算で、改善を後押ししています。
02数字で見る保育士不足
保育士の有効求人倍率は、令和7年10月に3.10倍で、全職種平均の1.20倍を大きく上回っています。
有効求人倍率は、仕事を探す人1人あたりに求人がいくつあるかを示す数字です。保育士は令和6年4月に2.42倍で、全職種平均の1.18倍より高い水準でした。配置基準の改善などにより、今後も保育士の確保が必要とされています。
令和6年10月1日時点で、保育士の登録者は約191万人です。社会福祉施設等で働く人は約68万人で、働いていない人は約123万人います。ただしこの中には、幼稚園や認可外保育施設で働く人なども含まれます。
資格を持ちながら保育の現場を離れている人を、潜在保育士と呼びます。国は、再就職や職場復帰の支援を進めています。
03働き方を変えるための取り組み
保育士を辞めた理由には、仕事量の多さや労働時間の長さが挙げられています。国は処遇改善や事務の負担を減らす支援を進めています。
こども家庭庁の資料は、非効率な事務作業や紙での業務のために、子どもと向き合う時間が取れないという声も紹介しています。人が足りないことは、一人ひとりの頑張りだけでは解決しにくい、仕組みの課題です。
国は、令和6年度に公定価格の保育士等の人件費を10.7%改善しました。資料はこれを過去最大としています。登降園管理や記録などのICT化、保育補助者の配置、保育士・保育所支援センターによる再就職支援なども行っています。
| 子どもの年齢 | 令和6年度より前 | 現在の基準 |
|---|---|---|
| 乳児(0歳) | おおむね3人に1人 | おおむね3人に1人 |
| 1・2歳児 | おおむね6人に1人 | おおむね6人に1人(1歳児は5対1以上への加算あり) |
| 3歳児 | おおむね20人に1人 | おおむね15人に1人 |
| 4・5歳児 | おおむね30人に1人 | おおむね25人に1人 |
あなたの場合は?
あなたが保育所で働くとしたら、子どもと向き合う時間を増やすために、どんな仕事を減らせたらよいと思いますか?
答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。
覚えるのはこの3つ
- 配置基準は乳児3対1、1・2歳児6対1、3歳児15対1、4歳以上児25対1(基準第33条)
- 令和6年度に3歳児は20対1から15対1、4・5歳児は30対1から25対1へ改善された
- 保育士の有効求人倍率は全職種平均より高い。登録者約191万人に対し、施設等で働く人は約68万人
TERMSこのレッスンの用語
保育所の保育士の数を、子どもの年齢ごとに定めた国の基準。乳児おおむね3人、1・2歳児おおむね6人、3歳児おおむね15人、4歳以上児おおむね25人につき1人以上(基準第33条)。
仕事を探す人1人あたりに、求人がいくつあるかを示す数字。保育士は令和7年10月に3.10倍で、全職種平均の1.20倍を上回っている。
保育士の資格を持ちながら、保育の現場で働いていない人。国は再就職や職場復帰の支援を進めている。
LESSON 12-1 の確認
確認問題(全3問)
本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。
Q1. 児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第33条が定める、3歳児の保育士の配置基準はどれでしょう?
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正解: 2. おおむね15人につき1人以上
正解はおおむね15人につき1人以上です。令和6年度に、20対1から15対1へ改められました。6対1は1・2歳児、25対1は4歳以上児の基準です。
Q2. こども家庭庁の資料による、保育士の登録者数と、社会福祉施設等で働く人の数(令和6年10月1日時点)の組み合わせはどれでしょう?
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正解: 1. 登録者約191万人、働く人約68万人
正解です。登録者は約191万人、社会福祉施設等で働く人は約68万人です。働いていない人は約123万人で、幼稚園や認可外保育施設で働く人なども含まれます。
Q3. ある保育所の4歳児クラスには、子どもが50人います。現在の配置基準に沿うと、このクラスに必要な保育士は最低何人でしょう?
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正解: 2. 2人
ここがポイントです。4歳以上児はおおむね25人につき1人以上なので、50人なら2人以上が必要です。