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第7章 保育の心理学 ・ レッスン7-4

言葉はどう育つ?喃語から会話までの道すじ

約5分 ・ 公開日 2026-10-06

このレッスンの問い

まだ話せない赤ちゃんの「あー」「ばぶばぶ」という声に、大人が返事をすることに意味はあると思いますか?

読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。

前のレッスンの復習(1問)

本文に入る前に、前のレッスンを思い出してみましょう。

レッスン7-3から

Q1. 前のレッスンの復習です。ピアジェのいう「保存」とは、どのような理解でしょう?

答えを見る

正解: 1. 見た目が変わっても、量や数は変わらないと分かること
正解は1つめです。保存は具体的操作期に分かるようになります。2つめは対象の永続性の説明です。

01話す前から、言葉の準備は始まっている

赤ちゃんは、言葉を話す前から、声や身振りで大人とやり取りしています。

赤ちゃんは早い時期から、「くー」のような短い声を出します。これをクーイングと呼びます。やがて「ばばば」「まんまん」のように、同じ音をくり返す喃語が出てきます。

9か月頃には、指差しや身振りで自分の思いを伝えようとする姿が見られます。身振りの使い方が、その後の言葉の発達を予測するという研究もあります。

保育所保育指針は、保育士等が発声や喃語に応答することを通じて、言葉の理解や発語の意欲が育つと示しています。話せない時期の応答にも、大きな意味があるのです。

021歳ごろの初語から、一語文、二語文へ

1歳ごろに意味のある最初の言葉が出始め、一語文から二語文へと進みます。

心理学の教科書OpenStaxは、12か月ごろに最初の言葉、18か月ごろに言葉の組み合わせが出るという目安を示しています。ただし指針解説は、初めて意味のある言葉を発する時期にはかなり個人差があると述べています。

この頃の言葉は一語文と呼ばれ、1つの言葉に様々な思いが込められます。「マンマ」は呼びかけのこともあれば、「食べたい」という欲求のこともあります。

一語文でのやり取りを重ねる中で、子どもは「マンマ欲しい」のような二語文を獲得していきます。指針は1歳以上3歳未満を、片言から二語文、ごっこ遊びでのやり取りへと言葉の習得が大きく進む時期としています。

03保育士は、思いを汲み取り、言葉を補って返す

保育士等は、言葉の奥にある子どもの思いを汲み取り、言葉を補って返すことで、伝え合う喜びを育てます。

「マンマ」と言う子に「おなかすいたね、ごはん食べようね」と返すように、思いを汲んで言葉を補います。子どもは言葉で思いが通じ合う喜びを感じ、伝えたいという意欲を高めていきます。

急かさず、ゆっくり話を聞くことも大切です。話したい気持ちはあっても、まだはっきり言葉にするのが難しい時期だからです。

3歳以上になると、理解する語彙が急激に増えます。ただし、語彙が一気に増える時期がすべての子どもに見られるわけではない、という研究もあります。

時期の目安言葉の姿大人の関わり
生後早い時期〜クーイング、やがて喃語声に応答し、やり取りを楽しむ
9か月頃指差しや身振りで伝えようとする気持ちを汲み取り、言葉にして返す
1歳ごろ〜初語。一語文に様々な思いを込める一語に込めた思いを汲み、言葉を補う
1歳半ごろ〜3歳未満二語文、ごっこ遊びでのやり取り急かさずゆっくり聞き、状況を説明する言葉を補う
3歳以上理解する語彙が急激に増える言葉による伝え合いを支える
言葉の発達の道すじと大人の関わり(時期は目安。保育所保育指針・解説とOpenStax『Psychology 2e』をもとに作成)

あなたの場合は?

小さな子が何かを伝えようとしたとき、あなたはどんな言葉で返していますか?

答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。

覚えるのはこの3つ

  1. クーイングと喃語、指差しや身振りを経て、1歳ごろに初語が出る(時期の個人差は大きい)
  2. 一語文には様々な思いが込められ、やがて二語文へ進む
  3. 保育士等は声や思いに応答し、言葉を補って返す

TERMSこのレッスンの用語

喃語Babbling

「ばばば」「まんまん」のように、赤ちゃんが同じ音をくり返して出す声。意味のある言葉が出る前に現れる。

一語文One-word sentence (holophrase)

「マンマ」のように、1つの言葉で呼びかけや欲求など様々な思いを表す、言葉が出始めた頃の話し方。

二語文Two-word sentence

「マンマ欲しい」のように、2つの言葉をつなげて表す話し方。一語文の後に現れる。

LESSON 7-4 の確認

確認問題(全3問)

本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。

Q1. 喃語の説明として、正しいものはどれでしょう?

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正解: 2. 「ばばば」のように、同じ音をくり返す声
正解は2つめです。喃語は意味のある言葉が出る前の声です。2つの言葉をつなげるのは二語文、意味のある最初の言葉は初語です。

Q2. 保育所保育指針解説が、一語文について述べている内容に合うものはどれでしょう?

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正解: 1. 1つの言葉に、呼びかけや欲求など様々な思いが込められている
正解は1つめです。解説は、初めて意味のある言葉を発する時期にはかなり個人差があるとも述べています。

日常の場面で考える

Q3. 1歳半のEちゃんが、外を指差して「ワンワン!」と言いました。保育士の関わりとして、最も適切なものはどれでしょう?

答えを見る

正解: 3. 「ワンワンいたね。しっぽを振ってるね」と思いを汲み、言葉を補って返す
正解は3つめです。伝えたい思いを受け止め、言葉を補って返すことで、言葉で通じ合う喜びと話す意欲が育ちます。

レッスン7-4はここまでです

迷った問題は、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。間違えた問題は復習ページに自動で入ります。

第7章 保育の心理学 のレッスン一覧
  1. 7-1発達の道すじ
  2. 7-2愛着と安全基地
  3. 7-3ピアジェの発達段階
  4. 7-4言葉の発達
  5. 7-5遊び・社会性と支援

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出典(3件)
  1. こども家庭庁「保育所保育指針解説」(第2章1・2)
  2. 厚生労働省「保育所保育指針」(平成29年厚生労働省告示第117号)第2章
  3. OpenStax『Psychology 2e』9.3 Stages of Development(Rice University)