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第5章 社会福祉 ・ レッスン5-3

利用者の権利を守るしくみとは?苦情解決と第三者評価

約5分 ・ 公開日 2026-10-05

このレッスンの問い

保護者が園の対応に不満を持ったとき、どこに伝えられると思いますか?園の中だけでしょうか。

読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。

前のレッスンの復習(1問)

本文に入る前に、前のレッスンを思い出してみましょう。

レッスン5-2から

Q1. 前のレッスンの復習です。保育所保育指針が保護者支援で尊重するよう求めているものはどれでしょう?

答えを見る

正解: 2. 保護者の自己決定
正解は「保護者の自己決定」です。指針は、保護者の気持ちを受け止め、信頼関係を基本に、保護者の自己決定を尊重するよう求めています。

01苦情解決:園の中にしくみをつくる

社会福祉法第82条は、社会福祉事業の経営者に、利用者等からの苦情の適切な解決に努めるよう求めています。

苦情は、サービスをよくするための大切な声です。社会福祉法第82条は、事業の経営者が常に、利用者等からの苦情の適切な解決に努めなければならないと定めています。保育所保育指針も総則で、保護者の苦情などの解決を図るよう求めています。

厚生労働省の指針は、苦情解決の体制として3つの役割を示しています。責任主体となる苦情解決責任者、職員から任命する苦情受付担当者、そして第三者委員です。

第三者委員は、解決に社会性や客観性を確保するために置かれます。ねらいは、苦情を密室化せず、一定のルールに沿って解決を進めることです。

02運営適正化委員会:園の外の相談先

社会福祉法第83条により、都道府県社会福祉協議会に運営適正化委員会が置かれ、福祉サービスの苦情の解決を手伝います。

園の中で解決しにくい苦情もあります。そのため社会福祉法は、園の外にも相談先を用意しています。それが、都道府県社会福祉協議会に置かれる運営適正化委員会です(第83条)。

委員は、社会福祉、法律、医療に関する学識経験を持つ人などで構成されます。苦情の解決の申出があると、相談に応じて助言し、事情を調査します(第85条)。

さらに、申出人とサービス提供者の両方の同意を得て、解決のあっせんを行うこともできます。

03第三者評価:外の目でサービスの質を見る

福祉サービス第三者評価は、事業者と利用者以外の公正・中立な第三者機関が、専門的かつ客観的な立場からサービスの質を評価するしくみです。

社会福祉法第78条は、経営者が自らサービスの質の評価を行うなどして、利用者の立場に立った良質なサービスに努めるよう定めています。国にも、公正かつ適切な評価を進める措置に努めるよう求めています。

第三者評価は行政監査とは目的が違います。監査は最低基準を満たしているかを確かめます。第三者評価は、よりよいサービスを目指すための評価です。

評価結果は公表され、利用者のサービス選びにも役立てられます。多くの事業者にとって受審は義務ではありませんが、社会的養護関係施設には受審が義務づけられています。

しくみ根拠誰が何をする
苦情解決社会福祉法第82条事業者(苦情解決責任者・苦情受付担当者・第三者委員)利用者等からの苦情の適切な解決に努める
運営適正化委員会社会福祉法第83条・第85条都道府県社会福祉協議会に置かれる委員会相談・助言・調査を行い、同意を得てあっせんする
第三者評価社会福祉法第78条公正・中立な第三者機関サービスの質を専門的・客観的に評価し、結果を公表する
利用者の権利を守る3つのしくみ(社会福祉法・厚生労働省資料をもとに作成)

あなたの場合は?

あなたが利用しているお店やサービスで、意見を伝えやすいと感じたのは、どんなしくみがあったからでしょう?

答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。

覚えるのはこの3つ

  1. 社会福祉法第82条:事業者は苦情の適切な解決に努める。苦情解決責任者・苦情受付担当者・第三者委員を置く
  2. 園の外の相談先は、都道府県社会福祉協議会の運営適正化委員会(第83条)
  3. 第三者評価は、公正・中立な第三者機関がサービスの質を評価し、よりよいサービスを目指すしくみ

TERMSこのレッスンの用語

第三者委員Third-party committee member

苦情解決に社会性や客観性を確保し、利用者の立場や特性に配慮した対応を進めるため、事業者が置く委員。

運営適正化委員会Committee for appropriate operation

都道府県社会福祉協議会に置かれ、福祉サービスに関する苦情の相談・助言・調査やあっせんを行う委員会(社会福祉法第83条)。

福祉サービス第三者評価Third-party evaluation of welfare services

事業者と利用者以外の公正・中立な第三者機関が、専門的かつ客観的な立場から福祉サービスの質を評価するしくみ。

LESSON 5-3 の確認

確認問題(全3問)

本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。

Q1. 社会福祉法で、運営適正化委員会が置かれるのはどこでしょう?

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正解: 2. 都道府県社会福祉協議会
正解です。第83条により、運営適正化委員会は都道府県社会福祉協議会に置かれます。

Q2. 福祉サービス第三者評価と行政監査の違いとして正しいものはどれでしょう?

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正解: 2. 第三者評価は、よりよいサービスを目指し、質の向上をねらいとする
ここがポイントです。最低基準を満たしているかを確かめるのは行政監査です。第三者評価は、サービスの質の向上をねらいとしています。

日常の場面で考える

Q3. 保護者のHさんが「担任に伝えたけれど、園の対応に納得できない」と話しています。社会福祉法のしくみに合う案内はどれでしょう?

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正解: 1. 園の第三者委員や、都道府県社会福祉協議会の運営適正化委員会にも相談できると伝える
苦情解決には、園の第三者委員や、園の外の運営適正化委員会というしくみがあります。苦情を密室化せず、客観性を確保して解決を進めることがねらいです。

レッスン5-3はここまでです

迷った問題は、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。間違えた問題は復習ページに自動で入ります。

第5章 社会福祉 のレッスン一覧
  1. 5-1社会福祉と社会保障
  2. 5-2相談援助と保護者支援
  3. 5-3苦情解決と第三者評価

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出典(5件)
  1. e-Gov法令検索「社会福祉法」(第78条・第82条・第83条・第85条)
  2. 厚生労働省「社会福祉事業の経営者による福祉サービスに関する苦情解決の仕組みの指針について」(平成12年6月7日)
  3. 厚生労働省「福祉サービス第三者評価事業について」(資料)
  4. 全国社会福祉協議会「福祉サービス第三者評価事業とは」
  5. 厚生労働省「保育所保育指針」(平成29年厚生労働省告示第117号)第1章 総則