HOME / ゼロから学ぶ保育士 / 講座 / 第6章 社会的養護 / 社会的養護とは
第6章 社会的養護 ・ レッスン6-1社会的養護とは?家庭で暮らせない子どもを社会で育てるしくみ
約4分 ・ 公開日 2026-10-05
このレッスンの問い
家庭で暮らせなくなった子どもは、どこで、誰に育てられると思いますか?まず思い浮かぶ場所を予想してみてください。
読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。
子どものことで心配なときの相談先
この講座は学習用で、個別のケースの判断はできません。虐待かもしれないと思ったときや、子育てに悩んだときは、次の公的な窓口に相談できます。確信がなくても相談できます。
- 児童相談所 虐待対応ダイヤル 189(いちはやく。近くの児童相談所につながります。通話料無料・匿名で相談でき、秘密は守られます。一部のIP電話からはつながりません)
- 親子のための相談LINE(子育てや親子関係の悩みを、親も子どももLINEで相談できます。こども家庭庁の案内)
命の危険があるときは110番に連絡してください。出典: こども家庭庁「児童相談所 虐待対応ダイヤル189」、こども家庭庁「親子のための相談LINE」
01社会的養護とは:公的責任で子どもを育てる
社会的養護とは、保護者のない子どもや、保護者に育てさせることが適当でない子どもを、公的責任で社会的に養育し、保護することです。
保護者がいない、虐待を受けているなど、家庭で暮らせない理由はさまざまです。こども家庭庁は、こうした子どもを公的責任で育てることを社会的養護と説明しています。養育に大きな困難を抱える家庭への支援も含みます。
子どもを里親に委託したり、施設に入所させたりすることは、都道府県がとる措置として定められています(児童福祉法第27条第1項第3号)。通告から一時保護までの流れは、第4章で学びました。
こども家庭庁の資料(令和8年3月)では、里親やファミリーホームに委託され、または施設に入所している子どもは約4万2千人です。数の多くは令和7年3月末時点のものです。
022つの理念:子どものために、社会全体で
社会的養護は、「こどもの最善の利益のために」と「社会全体でこどもを育む」を理念として行われています。
1つ目は、子どもにとって何がいちばんよいかを判断の基準にする考え方です。第4章で学んだ子どもの権利条約の原則「子どもの最善の利益」と重なります。
2つ目は、子どもを育てる責任を、保護者だけでなく社会全体で分かち合う考え方です。社会的養護のもとで暮らす子どもは、特別な子どもではありません。家庭の事情で、社会の支えが必要になった子どもたちです。
03家庭養育優先:まず家庭と同様の養育環境で
児童福祉法第3条の2は、家庭での養育が難しいとき、家庭と同様の養育環境で継続的に育つよう措置をとることを、国と地方公共団体に求めています。
順番は3段階です。まず保護者を支援し、子どもが家庭で育つようにします。それが難しければ家庭と同様の養育環境、それも適当でなければ、できる限り良好な家庭的環境で育てます。
こども家庭庁の資料は、家庭と同様の養育環境として養子縁組・里親・ファミリーホームを挙げています。良好な家庭的環境の例は、小規模なグループで暮らす施設です。
里親とファミリーホームで暮らす子どもの割合を、里親等委託率と呼びます。乳児院・児童養護施設を含めた全体に対して、令和7年3月末で26.3%です。
| 順番 | どこで育つか | 例 |
|---|---|---|
| 1 | 家庭 | 保護者を支援し、家庭で育つようにする |
| 2 | 家庭と同様の養育環境 | 養子縁組、里親、ファミリーホーム |
| 3 | できる限り良好な家庭的環境 | 小規模なグループで暮らす施設 |
あなたの場合は?
もし近所に里親家庭があると知ったら、あなたはその家庭をどんなふうに応援できそうですか?
答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。
覚えるのはこの3つ
- 社会的養護は、家庭で暮らせない子どもを公的責任で社会的に養育・保護すること
- 理念は「こどもの最善の利益のために」と「社会全体でこどもを育む」
- 家庭養育優先:まず家庭、次に家庭と同様の養育環境、次に良好な家庭的環境(第3条の2)
TERMSこのレッスンの用語
保護者のない子どもや、保護者に育てさせることが適当でない子どもを、公的責任で社会的に養育・保護し、養育に困難を抱える家庭も支援すること。
児童福祉法第3条の2で、家庭での養育が難しい子どもがまず育つべきとされる環境。こども家庭庁は養子縁組・里親・ファミリーホームを挙げている。
乳児院・児童養護施設・里親・ファミリーホームで暮らす子どものうち、里親とファミリーホームに委託されている子どもの割合。
LESSON 6-1 の確認
確認問題(全3問)
本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。
Q1. こども家庭庁が示す社会的養護の理念の組み合わせとして、正しいものはどれでしょう?
答えを見る
正解: 1. 「こどもの最善の利益のために」と「社会全体でこどもを育む」
正解です。社会的養護は、この2つを理念として行われています。子どもにとっての最善と、社会全体で育てる考え方です。
Q2. 児童福祉法第3条の2の考え方で、家庭での養育が難しい子どもについて、まず目指すとされる環境はどれでしょう?
答えを見る
正解: 2. 家庭と同様の養育環境
惜しかった人も大丈夫です。第3条の2は、家庭と同様の養育環境で継続的に養育されるよう措置をとることを求めています。それが適当でない場合に、良好な家庭的環境を目指します。
Q3. 保育所の先輩が「施設や里親のもとで育つ子は、かわいそうな特別な子だよね」と話しています。社会的養護の理念に沿った受け止め方はどれでしょう?
答えを見る
正解: 2. 家庭の事情で社会の支えが必要になった子として、社会全体で育ちを支える
ここがポイントです。社会的養護の理念の1つは「社会全体でこどもを育む」です。子どもを特別視せず、社会の一員として育ちを支えます。