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第5章 社会福祉 ・ レッスン5-2

相談援助(ソーシャルワーク)とは?保護者支援に生かす基本

約5分 ・ 公開日 2026-10-05

このレッスンの問い

保護者から子育ての悩みを打ち明けられたら、まず何をしますか?すぐに解決策を伝えますか?

読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。

前のレッスンの復習(1問)

本文に入る前に、前のレッスンを思い出してみましょう。

レッスン5-1から

Q1. 前のレッスンの復習です。社会福祉法第4条が目指している地域社会はどれでしょう?

答えを見る

正解: 1. 住民が互いを尊重し、参加し、共生する地域社会
正解は「住民が互いを尊重し、参加し、共生する地域社会」です。第4条は、この地域社会の実現を目指して地域福祉を進めると定めています。

01ソーシャルワークとは:人と環境の両方に働きかける

ソーシャルワークは、人々が生活課題に取り組み、ウェルビーイングを高められるよう、人々やさまざまな構造に働きかける専門職であり学問です。

困りごとを抱えた人の相談に応じ、その人と周りの環境の両方に働きかけて解決を支える。これがソーシャルワーク(相談援助)です。

国際的な定義は、2014年7月に国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)と国際ソーシャルワーク学校連盟(IASSW)の総会で採択されました。この「グローバル定義」は、社会正義、人権、集団的責任、多様性尊重の諸原理を中核としています。

日本語の定義は、社会福祉専門職団体協議会と日本社会福祉教育学校連盟が協働で作りました。人々が主体的に課題に取り組めるよう関わる姿勢が重視されています。

02保護者支援の基本:受け止め、自己決定を尊重する

保育所保育指針は、保護者の気持ちを受け止め、相互の信頼関係を基本に、保護者の自己決定を尊重するよう求めています。

指針の第4章「子育て支援」は、保護者支援の基本的な姿勢を示しています。保護者の気持ちを受け止め、信頼関係を基本に、保護者の自己決定を尊重することです。

保育所保育指針解説は、ありのままを受け止める姿勢を「受容的態度」と呼んでいます。受容は、不適切と思われる行動を無条件に肯定することではありません。その行動も保護者を理解する手がかりとし、敬意をもってより深く理解することです。

解決策を保育士が決めて押しつけるのではありません。保護者自らが選び、決めていくことを支えます。保護者が納得して解決に至れることが大切です。

03安心して話せる関係と、関係機関との連携

相談の前提は、プライバシーの保護と秘密の保持です。内容によっては、地域の関係機関と連携して支えます。

指針は、子どもの利益に反しない限り、保護者や子どものプライバシーを保護し、知り得た秘密を保持するよう求めています。安心して話せる状態が、信頼関係の土台になります。

解説は、保育士がソーシャルワークの基本的な姿勢や知識、技術についても理解を深めることが望ましいとしています。ただし、保育士が一人ですべてを抱えるわけではありません。

地域には、子どもや子育て家庭のソーシャルワークの中核を担う機関があります。保育所は必要に応じてそうした機関と連携し、施設長や主任保育士とも役割を分担して組織で支えます。

姿勢意味よくある誤解
受容ありのままを受け止め、敬意をもって保護者を深く理解する不適切な行動も無条件に肯定すること
自己決定の尊重保護者自らが選び、決めていくことを支える保育士が正しい答えを決めて伝えること
プライバシーの保護・秘密の保持子どもの利益に反しない限り、知り得た事柄を守る子どもに危険があっても秘密を優先すること
連携必要に応じて地域の関係機関や園内で役割を分けて支える担当の保育士が一人で抱え込むこと
保護者支援の基本的な姿勢(保育所保育指針・同解説をもとに作成)

あなたの場合は?

誰かに悩みを相談したとき、「話してよかった」と感じたのは、相手のどんな態度があったからでしょう?

答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。

覚えるのはこの3つ

  1. ソーシャルワークは、人々が生活課題に取り組みウェルビーイングを高められるよう、人と構造に働きかける(2014年グローバル定義)
  2. 保護者支援の基本は、気持ちを受け止め、信頼関係を基本に、保護者の自己決定を尊重すること
  3. 受容は無条件の肯定ではない。秘密の保持を前提に、必要なら関係機関と連携して組織で支える

TERMSこのレッスンの用語

ソーシャルワークSocial work

人々が生活課題に取り組みウェルビーイングを高められるよう、人々やさまざまな構造に働きかける専門職であり学問。相談援助とも呼ぶ。

受容Acceptance

保護者のありのままを受け止め、援助を目的として敬意をもってより深く理解する姿勢。不適切な行動を無条件に肯定することではない。

自己決定の尊重Respect for self-determination

保護者自らが選択し決定していくことを支え、その決定を尊重する支援の基本姿勢。

LESSON 5-2 の確認

確認問題(全3問)

本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。

Q1. ソーシャルワーク専門職のグローバル定義が中核とする諸原理に含まれないものはどれでしょう?

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正解: 3. 専門職による一方的な指導
正解です。中核となる原理は、社会正義、人権、集団的責任、多様性尊重です。人々の主体性を重視する定義なので、一方的な指導は含まれません。

Q2. 保育所保育指針解説が説明する「受容」として正しいものはどれでしょう?

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正解: 2. 不適切と思われる行動も理解の手がかりとし、敬意をもって深く理解すること
ここがポイントです。受容は無条件の肯定ではありません。行動を保護者を理解する手がかりとして、より深く理解しようとする姿勢です。

日常の場面で考える

Q3. 保護者のGさんが「夜泣きがつらくて、寝かしつけの方法を変えようか迷っている」と相談してきました。基本的な姿勢に合う対応はどれでしょう?

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正解: 2. つらさを受け止め、いくつかの方法と園での様子を伝えて、Gさんが選べるよう支える
保護者の気持ちを受け止め、保護者自らが選び決めていくことを支えるのが基本です。保育士が答えを決めて押しつけるのは、自己決定の尊重に反します。

レッスン5-2はここまでです

迷った問題は、その見出しの本文を読み直してから次に進みましょう。間違えた問題は復習ページに自動で入ります。

第5章 社会福祉 のレッスン一覧
  1. 5-1社会福祉と社会保障
  2. 5-2相談援助と保護者支援
  3. 5-3苦情解決と第三者評価

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出典(3件)
  1. 日本ソーシャルワーカー連盟「ソーシャルワーク専門職のグローバル定義」(日本語定義)
  2. 厚生労働省「保育所保育指針」(平成29年厚生労働省告示第117号)第4章 子育て支援
  3. こども家庭庁「保育所保育指針解説」(第3章〜第5章)