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第8章 子どもの保健 ・ レッスン8-2保育所の感染症対策は?うつる経路と登園のめやす
約5分 ・ 公開日 2026-10-06
このレッスンの問い
インフルエンザにかかった子の熱が下がりました。翌日には、もう登園してよいと思いますか?
読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。
前のレッスンの復習(1問)
本文に入る前に、前のレッスンを思い出してみましょう。
Q1. 前のレッスンの復習です。発育曲線で、3パーセンタイル値から97パーセンタイル値の間には、全体のおよそ何%の子が入るでしょう?
答えを見る
正解: 2. 94%
正解は94%です。3パーセンタイル未満と97パーセンタイル超がそれぞれ3%いるので、その間に94%の子が入ります。
01手引きはガイドライン。基本は3つの要因への対策
保育所の感染症対策の手引きは「保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)」で、感染源・感染経路・感受性への対策が基本です。
このガイドラインは2018年3月に改訂され、2023年5月に一部改訂されました。もとは厚生労働省が作ったもので、事務の移管に伴い、こども家庭庁が一部改訂を行いました。
ガイドラインは、感染症が成り立つ三大要因を、感染源、感染経路、感受性としています。病原体の付着や増殖を防ぐこと、感染経路を断つこと、予防接種で免疫のない状態をできるだけ早く解消することが大切です。
乳幼児は、正しい手洗いなどの衛生対策を自分で十分に行うことが難しい年齢です。そのため、大人の援助や配慮が必要です。
02うつる道筋ごとに対策を変える
保育所で特に注意する感染経路には、飛沫感染、空気感染、接触感染、経口感染、血液媒介感染、蚊媒介感染があり、経路に応じて対策をとります。
飛沫感染は、咳やくしゃみ、会話で飛ぶ小さな水滴を、近くの人が吸い込んでうつる経路です。飛沫が飛び散る範囲は1〜2mとされています。感染者から2m以上離れることや、マスクの着用などの咳エチケットが予防に有効です。
1つの病原体が、複数の経路でうつることもあります。たとえば麻しん(はしか)の主な感染経路は、飛沫感染、接触感染、空気感染です。
03登園のめやす:回復と流行防止の両面で見る
病気のあとの登園は、感染症ごとに示された「登園のめやす」を参考に、子どもの回復と集団での流行防止の両面から判断します。
登園の際は、子どもの全身状態が集団生活に適応できるまで回復していることを確かめます。保育所内での集団発生や流行につながらないことも確かめます。症状がほぼ消えた後も、ウイルスを出していることがあるためです。
インフルエンザのめやすは、発症した後5日経過し、かつ解熱した後2日(乳幼児は3日)経過していることです。学校保健安全法施行規則第19条の出席停止の基準も、ほぼ同じ期間(幼児は3日)を定めています。日数は、発症や解熱の日を含めず、翌日を1日目と数えます。
ガイドラインは、医師が意見書を書くことが考えられる病気と、医師の診断を受けて保護者が登園届を書くことが考えられる病気を分けています。ただし、どちらも一律に必要なものではありません。取り扱いは、市区町村の支援の下、地域の医療機関などと協議して決めます。
| 感染症 | 書類の区分 | 登園のめやす |
|---|---|---|
| インフルエンザ | 医師が意見書を記入 | 発症した後5日経過し、かつ解熱した後2日経過(乳幼児は3日経過) |
| 新型コロナウイルス感染症 | 医師が意見書を記入 | 発症した後5日を経過し、かつ症状が軽快した後1日を経過 |
| 溶連菌感染症 | 保護者が登園届を記入 | 抗菌薬内服後24〜48時間が経過 |
| 手足口病 | 保護者が登園届を記入 | 発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれる |
あなたの場合は?
あなたが風邪をひいたとき、人にうつさないために気をつけていることはありますか?それは、どの感染経路を断つ工夫でしょう?
答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。
覚えるのはこの3つ
- 手引きは「保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版、2023年5月一部改訂)」
- 対策の基本は感染源・感染経路・感受性の三大要因。飛沫の範囲は1〜2m
- インフルエンザの登園のめやすは、発症後5日かつ解熱後2日(乳幼児は3日)。日数は翌日から数える
TERMSこのレッスンの用語
咳やくしゃみ、会話で飛ぶ病原体を含む小さな水滴を、近くの人が吸い込んでうつる経路。飛沫が飛び散る範囲は1〜2m。
感染症にかかった子どもが再び登園してよいかを判断するために、ガイドラインが感染症ごとに示している状態や日数。
医師の診断を受けたあと、保護者が記入して保育所に出す書類。溶連菌感染症や手足口病などで考えられる取り扱いで、一律に必要なものではない。
LESSON 8-2 の確認
確認問題(全3問)
本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。
Q1. 保育所における感染症対策ガイドラインが示す、感染症が成り立つ三大要因の組み合わせはどれでしょう?
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正解: 1. 感染源・感染経路・感受性
正解です。感染源・感染経路・感受性の3つへの対策が、感染予防の基本です。
Q2. 飛沫感染について、ガイドラインの説明として正しいものはどれでしょう?
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正解: 2. 飛沫が飛び散る範囲は1〜2mで、2m以上離れることが予防に有効
ここがポイントです。飛沫の範囲は1〜2mで、感染者から2m以上離れることや咳エチケットが予防に有効とされています。
Q3. 4歳のIさんは月曜日に発熱してインフルエンザと診断され、水曜日に熱が下がりました。ガイドラインの登園のめやすを満たすのは、何曜日からでしょう?
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正解: 3. 日曜日
惜しかった人も大丈夫です。発症した月曜日を含めず火曜日から5日経過するのは土曜日の終わりです。幼児なので解熱後3日が必要で、水曜日を含めず木・金・土の3日を経過します。両方を満たすのは日曜日です。