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第1章 保育士とは・試験のしくみ ・ レッスン1-2保育士の義務とは?秘密保持・信用失墜行為の禁止・虐待の通告
約5分 ・ 公開日 2026-10-05
このレッスンの問い
保育士には秘密を守る義務があります。では、虐待が疑われる子どものことを児童相談所に知らせるのは、秘密を漏らすことになると思いますか?
読む前に、答えを少しだけ予想してみてください。当たっていなくても大丈夫です。
前のレッスンの復習(1問)
本文に入る前に、前のレッスンを思い出してみましょう。
Q1. 前のレッスンの復習です。保育士の資格について、正しいものはどれでしょう?
答えを見る
正解: 1. 保育士でない人が保育士と名乗ることは禁じられている
正解は「名乗ることが禁じられている」です。保育士は名称独占の資格で、禁じられているのは名乗ることです。また、試験に合格したあと登録を受けて保育士になります。
01秘密保持:辞めた後も続く義務
保育士は、正当な理由なく仕事で知った人の秘密を漏らしてはならず、この義務は保育士でなくなった後も続きます。
保育士は、家庭の事情や子どもの健康状態など、多くの個人的なことを知る立場にあります。児童福祉法第18条の22は、正当な理由なくその秘密を漏らすことを禁じています。そして、保育士でなくなった後も同じだと定めています。
たとえば、転職したあとに、前の園の保護者の家庭の事情を友人に話す。これも義務に反します。家族との雑談やSNSへの書き込みでも同じです。
違反すると、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象になります(第61条の2)。この罪は、告訴がなければ起訴されません。
02信用失墜行為の禁止:資格全体の信頼を守る
保育士は、保育士の信用を傷つけるような行為をしてはならないと定められています。
児童福祉法第18条の21は、保育士の信用を傷つけるような行為を禁じています。これを信用失墜行為の禁止と呼びます。一人の行いが、保育士という資格全体への信頼を左右するからです。
条文は、どんな行為が当たるかを一つずつ並べてはいません。秘密保持かこの決まりに違反すると、都道府県知事は登録を取り消したり、期間を決めて保育士の名称の使用停止を命じたりできます(第18条の19)。
03虐待の通告:守秘義務より優先される
虐待を受けたと思われる子どもに気づいたら、速やかに市町村や児童相談所などに通告する義務があり、守秘義務はその妨げになりません。
児童虐待防止法第6条は、虐待を受けたと思われる子どもを見つけた人に、速やかな通告を義務づけています。通告先は、市町村、都道府県の福祉事務所、児童相談所です。虐待だと確かめてからではなく、「思われる」段階で知らせます。
同じ条文は、守秘義務の規定が通告の妨げになると解釈してはならないと定めています。児童福祉法第25条にも、同じ趣旨の定めがあります。秘密を守る義務があるから黙っておく、という考えは誤りです。
さらに第5条は、児童福祉施設の職員などに、虐待の早期発見に努めるよう求めています。通告のあとの流れは、第4章(子ども家庭福祉)でくわしく学びます。
| 義務 | 法律 | 内容 | 違反したとき・注意点 |
|---|---|---|---|
| 秘密保持 | 児童福祉法第18条の22 | 仕事で知った秘密を漏らさない。辞めた後も続く | 1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(告訴が必要)。登録の取消しなど |
| 信用失墜行為の禁止 | 児童福祉法第18条の21 | 保育士の信用を傷つける行為をしない | 登録の取消し、名称の使用停止 |
| 虐待の通告 | 児童虐待防止法第6条 | 虐待を受けたと思われる子どもに気づいたら、速やかに通告する | 守秘義務は通告の妨げにならない |
あなたの場合は?
担当する子どもの腕に、説明のつかないあざを何度か見つけたとします。あなたなら、最初に誰に、どう伝えますか?
答えを書く必要はありません。少し思い浮かべるだけで、記憶に残りやすくなります。
覚えるのはこの3つ
- 秘密保持義務は、保育士でなくなった後も続く
- 保育士の信用を傷つける行為は禁止。違反すると登録の取消しもある
- 虐待が疑われたら通告する。守秘義務は通告の妨げにならない
TERMSこのレッスンの用語
保育士が、正当な理由なく仕事で知った人の秘密を漏らしてはならない義務。保育士でなくなった後も続く。
保育士は、保育士の信用を傷つけるような行為をしてはならないという決まり。
虐待を受けたと思われる子どもを見つけた人が、速やかに市町村や児童相談所などに知らせる義務。
LESSON 1-2 の確認
確認問題(全3問)
本文を見ずに答えてみましょう。思い出そうとすることが、いちばんの復習になります。
Q1. 保育士の秘密保持義務について、正しいものはどれでしょう?
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正解: 2. 保育士でなくなった後も続く
正解です。児童福祉法第18条の22は、保育士でなくなった後も秘密を漏らしてはならないと定めています。
Q2. 虐待の通告は、どの段階で行うものでしょう?
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正解: 2. 虐待を受けたと思われる段階で、速やかに
惜しかった人も大丈夫です。児童虐待防止法第6条は「虐待を受けたと思われる」子どもを見つけたら、速やかに通告するよう定めています。証拠がそろうまで待つ必要はありません。
Q3. 保育士だったCさんは、退職して1年後、前の園で知った子どもの家庭の事情をSNSに書こうとしています。正しい考え方はどれでしょう?
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正解: 2. 保育士でなくなった後も、秘密を漏らしてはならない
ここがポイントです。秘密保持義務には期限がなく、保育士でなくなった後も続きます。SNSへの書き込みも、秘密を漏らすことに当たります。